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スマホ利用のルール

スマホをもたせる前に知っておきたいことabout sns

スマホをもたせる前に知っておきたいこと

子どもにスマホをもたせることについて賛否ありますがここではすでにもっている。これからもたせることが決まった前提で話をしたいと思います

ご存じの通りスマートフォン(以下スマホ)とは、インターネット(ネット社会)と繋がることができる機器をいいます。
そして、そのスマホを小学生の約4割が使う時代になりました。
小学生がスマホをもつことで、インターネットを通じてネット社会に出る。
私はそれをとても怖いことだなと思ってしまいます。

今のネット社会は常識や倫理観に厳しいのではないでしょうか。
その反面無秩序な面も併せもっていて、社会のルールを知らずに足を踏み入れるのは危険な状態にあるのではないでしょうか。
・実名での投稿や写真・動画の投稿などの不適切な情報発信
・誹謗中傷やコミュニケーショントラブル、ネットいじめ
・つきまといやなりすまし、詐欺、脅迫
など不安要素は多岐にわたります。
命に関わる問題にもなりかねませんし、そうでなくてもデジタルタトゥーといって、ネット上に生涯にわたり傷を残してしまうことも。
もはやスマホは「生活が便利になるためのツール」を超え、「私たちの日常を支配しうる存在となりつつある
といっても過言ではないかもしれません。

法教育はすでに家庭で行われています

今のネット社会は常識や倫理観に厳しいのではないでしょうか

小学校に入学する前、子どもは親と一緒に通学路を歩いて、どこが危険な場所でこんなことに気を付けて…と教えてもらったのではないでしょうか。
もっというと、自分でしっかり歩けるようになった幼児期から、親は子どもの手を引いて
子どもが交通ルールをしっかり守れるようになるまで、目を離すことなどできなかったですよね。
これが法教育です。道路交通法に基づいた交通ルールを親が子に教えることは昔から行われてきたことなのではないでしょうか。
それは交通事故が日常生活の中で巻き込まれる可能性があり、他人事ではないという危機意識があるからではないかと思います。
下手したら命に関わる事故もあります。
でも危ないからと言って一切外に出さなかったり、車の通る道は一切通らないなんてできないですよね。だから子どもには何度も何度も、交通ルールと交通事故のこわさを言い聞かせてきたのではないでしょうか。

スマホをもち、ネット社会に出ることは、これと似ているのではないかと思います。
スマホをもった子どもは、ネット社会に一人で踏み出すわけです。
そこは事故(=ネットトラブル)も多く、大人でさえ気を付けていても遭遇するものです。
となると子どもは尚更注意が必要で、親が危険な箇所を指し示し、一緒に確認することが望ましいのではないでしょうか。
そして社会のルールや常識・倫理観を法教育によって教え、ネットトラブルのこわさを言い聞かせる。
危ない箇所には近づかせないように、社会のルールが身につくまで、フィルタリングをかける。
ネット社会に出る子どもを守るために親ができることは沢山あります。

事例

1【小学生がSNSによって事件に巻き込まれています】
2019年11月に大阪の小学6年生の女子児童が誘拐され栃木県で保護された事件も犯人との接点はSNSでした。
スマホ利用の低年齢化に伴い小学生のスマホ利用による事件も年々増加しています。

2【警察庁より】
2020年3月にはSNSを利用して1年間に性犯罪などの被害者となった18歳未満の子どもが前年比271人増の2082人で最多となったことが警察庁のまとめで分かりました。

3【2019年9月26日朝日新聞】
2019年9月埼玉県川口市の中学校でいじめに遭い不登校になった元生徒(16)が、実名をインターネット上の掲示板サイトに書き込まれ中傷されたとして、書き込んだ元同級生の父親に90万円の損害賠償を求めた訴訟が26日、さいたま地裁(日下部祥史裁判官)であり、和解が成立した。元同級生の父親が謝罪するとともに30万円を支払う。
というものでした。このように誹謗中傷をした側が訴えられるケースがこれからはさらに増えていくと思われます。

4【過去の裁判例からみても】

  • ・2017年8月大阪裁判所でネット掲示板に誹謗中傷の書き込みをしたことに対して慰謝料60万円を認定。
  • ・2012年1月東京地方裁判所でネットに女子トイレの盗撮をするという投稿を繰り返したことに対して慰謝料100万円を認定。

このような現代の環境を踏まえると、小学生の早い段階でネットトラブルについて学び、スマホ対策をしておくことが望ましいことなのではないでしょうか。
低学年の児童はまだ自我が芽生えてそれが確立する前段階にあります。
その時期にスマホの使い方、スマホで出来ること、スマホはあくまで便利なツールであってスマホに支配されないよう気を付けなければならないことを、親から子へ伝える機会があるといいと思います。

問題からルールの内容を考える

smartphone

法教育によって社会のルールを学び、スマホのこわさを子どもも知っていれば、実際スマホを持たせるときに、フィルタリングの必要性や利用時間・利用場所の制限を設けたとしても、子どもも理解しやすいのではないでしょうか。 子供がスマホを持つことで注意したいことは大きく分けて

  • 依存の問題(長時間動画を見る、深夜まで友達とLINEをしている、食事中もスマホを手放せない、長時間スマホでゲームをしてしまう等)
  • 内容の問題(SNSで不適切な発言をしてしまう、LINEで友達とトラブル、個人情報を掲載する等違法性のある言動をしてしまう)

この2つに分類されます。
依存の問題は親子でルールを定め依存にならない環境づくりが大切です。
内容の問題には法教育で社会のルールを身につけることで対応できます。

スマホの購入時にフィルタリングをすることも大切です

今や社会問題になっている子どものSNSトラブルにおいて、被害にあった児童の約半数は学校で一度も指導を受けていなかったと回答されています。また、フィルタリング利用の有無が判明した被害児童のうち、約9割が被害時にフィルタリングを利用していなかったとの回答です。
また、上記の事例で上げた性被害の大半がスマホを利用したもので、有害サイトの閲覧を制限するフィルタリングを利用していた割合は13.5%にとどまりました。
フィルタリングをしていたら、性被害に合わなくてすんだ子がいたのかもしれません。

急激な利用増に学校の対応が追い付いていない面は否めません。
ある中学校では校則で「スマホの所持を禁止」としているので、ネットトラブルやスマホの利用について学校で指導をすることがなかったそうです。

子供たちへの指導が十分とは言えない状況であるのならばなおのこと、親にできることはフィルタリング適切なルールの設定、法教育をすることで子どものネットトラブルを未然に防ぐことができるのではないかと考えます。

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